「個人情報を扱う部署にいるなら、資格くらい持っておいた方がいいんですかね」総務に配属されたばかりの後輩から、そう聞かれたことがあります。マイナンバー、お客様情報、社員の履歴書や健康診断結果……総務は毎日のように個人情報の塊のような書類に触れる部署です。実務は日々の業務の中で覚えていくものですが、「体系的に説明できるか」と聞かれると、正直あやふやなまま抱えている人も多いのではないでしょうか。
私自身、総務に異動して数年たったころ、個人情報保護法まわりの知識を断片的な自己流のまま放置していることに危機感を覚え、個人情報保護士認定試験を受けてみることにしました。今回は「試験そのものの位置づけ」と「働きながらどう勉強時間を作ったか」という、受験する側の視点でまとめてみます。実務対応の詳しい話は別の記事に譲り、ここでは資格・勉強法にしぼってお伝えします。
同じように「資格を取ってみようかな」と迷っている総務・人事・経理担当の方の背中を、少しでも押せたら嬉しいです。
個人情報保護士認定試験とは
個人情報保護士認定試験は、個人情報保護法の基本的な考え方や、企業が個人情報を扱ううえで押さえるべき実務知識を問う民間資格の試験です。実際に勉強してみて感じたのは、法律の条文をそのまま暗記させる試験というより、「自社の個人情報の取り扱いが、法律や社内規程に照らして適切かどうかを判断できる力」を測る内容だということでした。総務・人事・経理のように人の情報を扱う部署にいる人であれば業務との重なりが大きく、勉強した内容がそのまま仕事の理解度アップにつながりやすい資格だと思います。
総務担当が受けるメリット
① 個人情報を扱う業務全般への自信がつく
日々の実務は「前任からそう教わったから」「これまでそうしてきたから」という理由で回っていることが少なくありません。試験勉強を通じて法律の全体像を一度きちんと整理すると、普段何となくやっていた対応の「なぜそうするのか」がつながり、自分の判断に自信を持てるようになります。これは資格を取った後もじわじわ効いてくる変化でした。
② 社内規程やマニュアルを作るときの説得力が増す
個人情報関連の社内規程や研修資料を作る場面は、総務にいると必ず訪れます。体系立てて勉強しておくと、「なんとなく厳しめに書いておく」ではなく、根拠を示しながら規程の文言を組み立てられるようになります。上司や他部署への説明のときも、話に筋が通っていると受け止められ方が変わると実感しました。
③ 他部署からの問い合わせに、根拠を持って答えられる
「このお客様情報、他部署と共有していいですか」といった問い合わせは、総務・人事に日常的に飛んできます。勉強前は都度調べたり感覚で答えたりしていた部分も、体系的な知識があると即座に、かつ根拠を添えて答えられるようになります。相手の納得感が違うので、部署としての信頼にもつながる部分だと感じています。
④ 異動や担当替えがあっても知識が土台として残る
総務は数年おきに担当替えがある部署も多いですが、資格勉強で身につけた知識は担当が変わっても消えません。次に個人情報関連の業務を任されたときや、後任に引き継ぐときにも、共通言語として使える土台が残るのは資格勉強ならではのメリットだと思います。
働きながら勉強するコツ
正直なところ、まとまった勉強時間を毎日確保するのは、総務の通常業務をこなしながらだとかなり厳しいです。私の場合、机に向かって集中する時間は週末だけに絞り、平日は「隙間で触れる」ことに徹しました。
- 通勤時間やちょっとした待ち時間はテキストを眺めるだけにする
- 平日は新しいことを覚えようとせず、週末に覚えたことの復習に使う
- 業務で個人情報に関わる場面があったら「これ試験で見た内容だ」と結びつけて記憶を補強する
- 完璧に理解してから次に進もうとせず、一周終えることを優先する
特に効いたのは、実務と勉強内容を意識的に結びつけることでした。テキストの中の話を「うちの会社だとどうだったか」に置き換えて考えると、ただの暗記よりずっと頭に残ります。逆に言えば、実務経験がある総務担当は、この結びつけができる分、勉強効率で有利なのかもしれません。
資格学習を始めるなら
資格取得を目指す方向けに、こんな学習サービスもあります(PRを含みます)。
まとめ
- 個人情報保護士認定試験は、実務判断の根拠を体系的に整理できる資格
- 総務担当にとっては、規程作成や問い合わせ対応の説得力アップに直結する
- 働きながらの勉強は「平日は隙間、週末はまとめて」の使い分けが現実的
- 実務と勉強内容を結びつけると、記憶の定着も早い
- 異動があっても知識は残るため、長い目で見て投資対効果の高い勉強といえる
資格を取ったからといって仕事のやり方が急に変わるわけではありませんが、日々の判断に「これでいいはず」ではなく「これでいい」と言える裏付けが持てたことは、今も総務の仕事を続けるうえで大きな支えになっています。個人情報を扱う部署にいる方は、一度、腰を据えて体系的に学び直してみる価値があると思います。


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