「この契約書、念のため一度目を通しておいてもらえますか」総務に配属されてしばらく経ったころ、そう言われて渡された業務委託契約書を前に、恥ずかしながら何を確認すればいいのか分からず固まってしまったことがあります。ハンコを押す位置や社内稟議の通し方は分かっても、条文そのものの読み方は誰も教えてくれません。
総務や人事の仕事をしていると、法律そのものを扱う場面は法務部門ほど多くはないものの、契約書・就業規則・個人情報の取り扱いなど、法律の知識が「ないと不安、あると自信を持って動ける」場面が頻繁にやってきます。かといって法学部出身でもなく、体系的に学んだことがない、という方は多いのではないでしょうか。
私自身、そんな状態から一念発起してビジネス実務法務検定を受けてみたところ、日々の業務の見え方が大きく変わりました。今回は、実際に勉強して感じたメリットと、働きながらでも無理なく続けられた勉強法についてまとめてみます。
ビジネス実務法務検定とは
ビジネス実務法務検定は、契約・コンプライアンス・知的財産・労働法など、働く人が日常業務で出会う法律知識を、実務目線で問う検定です。学問としての法律ではなく、「この場面でどう動くべきか」を考える力を確認する内容になっているのが特徴で、法学部出身でなくても取り組みやすい構成になっています。級は複数に分かれており、初めて法律的な考え方に触れる方向けの入門レベルから、契約書作成や社内規程整備を主体的に担当するレベル、さらに専門性の高い上級レベルまで段階的に用意されています。総務担当としてまず押さえておきたいのは、日々の契約書チェックや社内規程の運用に直結する中位の級で、ここまで学んでおくと実務での引き出しがぐっと増える印象です。
総務担当が学ぶメリット
① 契約書チェックの視点が身につく
検定の勉強を通じて、契約書のどこにリスクが潜みやすいか、という「読むポイント」が具体的に分かるようになりました。以前は条文をなんとなく上から下まで読むだけでしたが、今では損害賠償や解除条項、期間や更新の定めなど、優先的に確認すべき箇所に自然と目が行くようになっています。
② コンプライアンス関連業務との親和性
個人情報の取り扱いやハラスメント対応、内部通報制度の運用など、総務が窓口になりやすいコンプライアンス業務は法律の裏付けを知っているかどうかで対応の質が変わります。検定範囲にはこうしたテーマが含まれているため、社内研修の資料作成や相談対応の際にも、根拠を持って説明できるようになった実感があります。
③ 法務部門とのやり取りがスムーズになる
専門用語の意味が分かるだけで、法務担当者への相談内容が格段に整理しやすくなります。「この条項は何が問題なのか」を自分の言葉で説明できるようになったことで、確認の往復が減り、相談から回答までのスピードが上がったのも大きな収穫でした。
④ 労務・人事分野でも役立つ知識が整理できる
就業規則の見直しや労働条件通知書の作成など、人事労務の実務にも法律の基礎知識は欠かせません。検定学習を通じて、断片的に覚えていた知識が体系立てて整理され、社労士など専門家に相談する際の質問の精度も上がったと感じています。
働きながら勉強するコツ
正直なところ、まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。私の場合は「完璧を目指さず、細切れ時間を積み重ねる」ことを意識して続けました。
- 通勤時間や昼休みなど、隙間時間にテキストを1テーマずつ区切って読む
- テキストは1冊に絞り、あれこれ手を広げない
- 早い段階から過去問・練習問題に触れ、出題のクセをつかむ
- 実際の業務で扱った契約書や社内規程と学習内容を結びつけて覚える
特に最後の「業務と結びつける」勉強法は効果的でした。抽象的な条文の知識も、自分が担当している契約書に当てはめて考えると一気に頭に入ってきます。
資格学習を始めるなら
資格取得を目指す方向けに、こんな学習サービスもあります(PRを含みます)。
まとめ
- ビジネス実務法務検定は、契約・コンプライアンスなど実務目線の法律知識を体系的に学べる検定
- 総務担当にとっては、契約書チェックの精度向上や法務部門とのやり取り円滑化につながる
- 労務・人事分野の知識整理にも役立ち、専門家への相談の質も上がる
- 働きながらでも、細切れ時間の活用と業務内容とのひも付けで無理なく学習を継続できる
法律の知識は、一度身につけると業務のあらゆる場面で「自分の判断に自信を持てる」土台になってくれます。総務としての引き出しを増やしたいと感じている方は、まず入門レベルからで構わないので、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。


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