ビジネスコンプライアンス検定のすすめ

資格・勉強法

「これって、前にりんとさんがすすめていたビジネス実務法務検定と同じようなものですか?」先日、後輩の総務スタッフに「ビジネスコンプライアンス検定」というものがあると伝えたところ、開口一番にこう聞かれました。名前が似ているうえに、どちらも法律や社内ルールに関わる検定なので、混同されるのも無理はありません。

正直に言うと、私自身も受験するまでは「コンプライアンスなんて、日々の業務の中で自然と身についているものでは」と、どこかで軽く考えていた部分がありました。個人情報の取り扱い、ハラスメントの防止、内部通報制度への対応など、総務として一つひとつの案件には向き合ってきたつもりです。ただ、それらが法律や社内規程の中でどうつながっているのかを体系立てて説明しろと言われると、意外と言葉に詰まる自分がいることに気づかされました。

今回は、実際にビジネスコンプライアンス検定を学んでみて感じたこと、そしてビジネス実務法務検定との違いも含めて、管理部門で働く方にこの検定をすすめたい理由を整理してみます。

ビジネスコンプライアンス検定とは何を学ぶ検定か

ビジネス実務法務検定との違い

以前このブログでも、ビジネス実務法務検定について取り上げたことがあります。あちらは契約書や会社法、知的財産など、企業活動全般に関わる法務知識を幅広くカバーする検定という印象です。一方でビジネスコンプライアンス検定は、法令遵守やリスク管理そのものにテーマを絞り込んでいる点が大きな違いだと感じています。

つまり、法務全般の地図を手に入れるのがビジネス実務法務検定だとすれば、ビジネスコンプライアンス検定はその中でも「会社が不祥事を起こさないためにどう備えるか」という一点に焦点を当てた、いわば専門地図のような存在だと捉えると理解しやすいように思います。

総務・人事・経理など管理部門全般にとっての意味

コンプライアンスというと法務担当者の仕事だと思われがちですが、実際に現場で日々向き合っているのは、総務・人事・経理といった管理部門であることのほうが多いのではないでしょうか。ハラスメントの相談を受けるのは人事、経費や契約に伴う不正リスクに目を配るのは経理、内部通報の窓口を運営するのは総務、という具合に、コンプライアンスは特定の部署だけの話ではなく、管理部門全体で分担して支えているテーマだと感じています。

だからこそ、法務担当者に限らず、管理部門で働く人であれば学んでおいて損はない内容だと思います。

学んでみて見えてきたこと

バラバラに対応してきたテーマが体系立って整理できる

これまで私は、個人情報保護、ハラスメント防止、内部通報制度といったテーマについて、それぞれ研修を受けたり社内規程を読んだりする形で、いわば個別に対応してきました。しかし検定の学習を通して、これらが「コンプライアンス」という一つの大きな枠組みの中でどうつながっているのかを整理できたことは、思っていた以上の収穫でした。

このブログでも、内部通報制度やハラスメント防止規程について個別に取り上げたことがありますが、今振り返ると、あのとき書いていた内容も、こうした体系の中の一部分だったのだと気づかされます。バラバラに学んだ知識をあらためて結びつけたい方にとって、この検定はちょうどよい復習のきっかけになるのではないかと思います。

社内研修を企画する土台になる

総務として避けて通れない仕事のひとつに、社内向けのコンプライアンス研修の企画があります。以前の私は、研修会社から提供された資料をそのまま流用したり、直近で話題になったニュースを慌てて盛り込んだりする、その場しのぎのような進め方をしていました。

検定の学習を通じて全体像を押さえておくと、自社にとって本当に優先すべきテーマは何か、逆に手薄になっている分野はどこかを、自分の言葉で説明できるようになります。研修の骨組みを自分で組み立てられるようになったことは、地味ですが大きな変化でした。

条文暗記より自社の規程・事案と結びつけて学ぶ

勉強法について付け加えると、条文や用語をそのまま丸暗記しようとしても、正直なところあまり頭に残りませんでした。それよりも、自社で実際に整備している就業規則やハラスメント防止規程、内部通報に関する規程などを手元に置きながら、「この項目は、うちの会社だとこの規程のこの部分にあたるな」と結びつけて読み進めるほうが、理解がずっと深まったように感じます。

また、これまで自分が対応してきた事案や、ニュースで報じられる他社の不祥事についても、「もし自社で同じことが起きたらどう対応すべきか」という視点で眺め直すようにすると、単なる他人事だったニュースが、急に自分事として頭に入ってくる感覚がありました。

  • ビジネスコンプライアンス検定は、法務全般ではなく法令遵守・リスク管理に絞って学べる検定
  • 法務担当者だけでなく、総務・人事・経理など管理部門全般で学ぶ意義がある
  • 個人情報保護、ハラスメント防止、内部通報制度など、これまで個別に対応してきたテーマを体系立てて整理できる
  • 社内研修を企画する際の土台になる知識が身につく
  • 条文の丸暗記よりも、自社の規程や過去の事案と結びつけて学ぶと理解が深まりやすい

級構成や出題範囲、合格率といった具体的な情報は変更されることもあるため、詳しくは主催団体の公式サイトで最新情報を確認してみてください。私自身、この検定をきっかけに、これまで断片的に対応してきたコンプライアンスというテーマを、あらためて自分の言葉で語れるようになったと感じています。同じように、これまでの実務経験を体系立てて整理したいと感じている管理部門の方にとって、この検定が学び直しのきっかけになればうれしく思います。

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