RPAで総務業務を自動化する、はじめの一歩|総務のAI・業務効率化

AI・業務効率化

毎月同じ数字をExcelに手入力し、別のシステムの画面とにらめっこしながら転記していく…総務の仕事をしていると、こういう「工夫の余地はないのに、時間だけはしっかり取られる」業務によく出会います。私自身、月次の集計作業でそんな時間を積み重ねてきました。

最近は「RPAで業務を自動化しましょう」という話をよく耳にします。ただ、自分の部署でとなると「何から手をつければいいのか分からない」という声のほうが多いのではないでしょうか。私も最初はそうでした。

今回は、実際に総務の現場でRPAツールの導入に関わった経験をもとに、RPAの基本的な考え方と、最初の一歩の踏み出し方、つまずきやすいポイントを整理してみます。

RPAとは何か

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、パソコン上で行う定型的な作業を、あらかじめ決めた手順どおりに自動で実行してくれる仕組みのことです。「考えて判断する」のではなく、「決められた手順を、疲れずに繰り返す」のが得意分野だと捉えると分かりやすいと思います。

エクセルのマクロに似たイメージを持たれることもありますが、複数のシステムやアプリケーションをまたいで操作できる点が特徴です。あるシステムから数字を取り出し、別のファイルに転記する、という一連の作業をひとまとめに自動化できます。

始め方のポイント

① 自動化に向く業務の見極め方

導入を検討し始めたとき、私が最初につまずいたのは「どの業務を自動化すればいいのか分からない」ということでした。試行錯誤の末にたどり着いたのは、自部署の業務を棚卸しして、次のような条件に当てはまるものを洗い出すやり方です。

  • 手順が決まっていて、都度の判断がほとんど発生しない作業
  • 毎日・毎週・毎月など、繰り返し発生する作業
  • 入力や転記など、パソコン上だけで完結する作業
  • 担当者が「時間がかかって大変」と感じている作業

逆に、状況によって判断が変わる作業や例外対応が多い作業は、無理に自動化しようとすると設定が複雑になり、かえって手間が増えます。まずは「単純だけど量が多い」業務を探すことから始めるのがおすすめです。

② 小さな業務から試す

洗い出しができても、いきなり基幹的な業務から手をつけるのは避けたほうが無難です。私も最初は「せっかくなら効果の大きいものを」と考えたのですが、結局は小規模な集計作業から試したことが結果的によかったと感じています。

小さな業務なら、不具合が出ても影響は限定的で、担当者も安心して試せます。小さな成功体験を積み重ねてから対象範囲を広げていくほうが、定着しやすいというのが実感です。

③ シナリオ変更時のメンテナンス体制

RPAツールは「決められた手順どおりに動く」のが特徴の裏返しで、画面のレイアウトが少し変わっただけでも止まってしまうことがあります。実際に、連携先のシステムが更新されたタイミングで動かなくなり、慌てて手作業に戻したことがありました。

  • 設定した手順(シナリオ)の内容を、担当者以外にも分かる形で記録しておく
  • 関連システムの更新予定を事前に把握できる連絡体制を作っておく
  • 作った人が異動・退職しても対応できるよう、複数人で運用できるようにしておく

「作った人しか触れない」状態になると、止まったときに業務そのものが止まりかねません。導入時点から、メンテナンス体制もあわせて考えておくことをおすすめします。

④ 現場の理解を得る

自動化の話を進めていると、「自分の仕事がなくなるのでは」という不安の声が上がることもあります。私の経験では、そうした不安は「何を、なぜ自動化するのか」を丁寧に説明することで、かなり和らぐという印象です。

単純な繰り返し作業を任せることで、担当者はより判断力が必要な業務に時間を使えるようになる、という前向きな面を共有しながら進めると協力も得やすくなります。

どの作業から手を付けるべきか、23項目で判定できます

毎月やっている作業を選ぶだけで、仕組みにできるもの手作業のまま残るものを判定するツールを置いています。判定の4つの軸もそのまま表示するので、納得できなければ読み替えてもらって構いません。入力した内容はブラウザの中だけで処理され、どこにも送信されません。

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まとめ

  • RPAは、定型作業を決められた手順どおりに自動実行する仕組みで、判断を伴う作業には不向き
  • まずは業務を棚卸しし、ルールが決まっている繰り返し作業を洗い出す
  • いきなり大きな業務ではなく、小規模な業務で試して成功体験を積む
  • シナリオが止まることを想定し、複数人で対応できる体制を整えておく
  • 現場の不安に向き合い、目的やメリットを丁寧に共有しながら進める

RPAは魔法のように何でも解決してくれる道具ではありませんが、「単純だけど時間のかかる作業」を地道に見つけて任せることで、確実に時間を生み出してくれます。まずは身の回りの業務を棚卸しするところから、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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