育児・介護休業法は近年、改正が続いている分野です。「うちの規程、前回いつ見直したっけ」と聞かれて即答できず、あとで慌てて条文を確認した、という経験のある総務担当者は少なくないのではないでしょうか。
法改正のたびに規程を細かく直すのは手間ですが、放置すると就業規則が実態や法令と食い違ったままになり、いざ従業員から相談があったときに正しい案内ができなくなります。この記事では、育児・介護休業法まわりの改正に総務としてどう向き合い、実務を回していけばよいかを整理します。
近年の育児・介護休業法改正で押さえておきたい流れ
近年の改正では、柔軟な働き方を実現するための措置を会社に義務付けたり、子の看護等休暇の対象となる子の範囲や取得理由を広げたり、介護離職を防ぐために対象従業員へ個別に周知・意向確認を行うことを求めたりと、「制度があるだけ」から「実際に使われる・伝わる」ことを重視する方向に変化してきているのが特徴です。具体的な義務の内容や施行時期は改正のたびに変わるため、正確なところは厚生労働省の資料や社会保険労務士に確認しながら進めるのが安心です。
総務が実務で対応すべきポイント
① 就業規則・育児介護休業規程の条文更新
法改正があった場合、まず育児介護休業規程(または就業規則の該当条文)が新しい内容に対応しているかを確認します。厚生労働省が公表しているモデル規程と自社の規程を突き合わせ、対象範囲や手続きの流れに古い記載が残っていないかをチェックする作業が基本になります。
② 対象従業員への個別周知・意向確認の実施記録
妊娠・出産の申出があった際や、介護が必要な家族がいることが分かった際に、制度の内容を個別に周知し、取得の意向を確認することが求められる場面が増えています。「言った・言わない」のトラブルを避けるためにも、周知・確認を行った日時と方法を記録に残しておく運用にしておくと安心です。
③ 管理職への周知(制度を知らない上司がボトルネックになりがち)
育児・介護に関する制度は、実は総務よりも先に現場の上司が相談を受けることが多い分野です。上司が古い制度理解のまま「うちの部署では前例がない」などと対応してしまうと、それだけで従業員が取得をあきらめてしまうこともあります。改正内容は従業員向けだけでなく、管理職向けにも分かりやすく周知する機会を作ることをおすすめします。
④ 取得しやすい職場風土づくりの工夫
規程を整えるだけでなく、実際に取得した社員の業務をどうカバーするか、代替要員の確保や引き継ぎのルールを事前に用意しておくことも、制度を形骸化させないために欠かせません。
「知らなかった」を防ぐための情報収集の仕組み化
法改正情報は、厚生労働省のメールマガジンや顧問社会保険労務士からの案内など、複数のルートで定期的に入ってくる仕組みを作っておくと、改正の見落としを防ぎやすくなります。改正のたびに一からリサーチするのではなく、情報が自動的に入ってくる仕組みに乗せておくのがおすすめです。
専門家に相談・アウトソーシングする選択肢
規程の見直しや個別対応を社内だけで抱えきれない場合は、外部の労務アウトソーシングサービスを活用する方法もあります(PRを含みます)。
まとめ
- 育児・介護休業法は「制度があるだけ」から「実際に伝わる・使われる」ことを重視する方向に改正が続いている
- 改正のたびに、規程の条文が最新の内容に対応しているか確認する
- 対象従業員への個別周知・意向確認は、実施記録を残す運用にしておく
- 制度を知らない管理職がボトルネックにならないよう、上司向けの周知も忘れない
- 法改正情報が自動的に入ってくる仕組みを作り、改正の見落としを防ぐ
※本記事は一般的な情報の紹介を目的としており、個別の法解釈や制度対応については社会保険労務士等の専門家にご確認ください。
育児・介護休業法まわりの実務は、条文を直すこと自体よりも「現場にきちんと伝わっているか」を確認する方が実は難しいと感じています。規程の更新と並行して、管理職への周知まで含めてワンセットで対応する意識を持っておきたいところです。

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